エクササイズと脳の再教育

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Photo: www.ictpost.com

前回のブログでは治療的エクササイズを日頃から行うことが重要であることを書きました。もし、まだ前回のブログをお読みになられていませんでしたら、まずはこちらをお読みください。ここで「エクササイズ」というのはいわゆるウエイトトレーニングではなく、治療的エクササイズのことを指します。治療的エクササイズではウエイトトレーニングのように重い物を持ち上げたりはしません。しかし、だからと言って簡単だという訳ではありません。なぜ重いものを持ち上げないのに簡単じゃないの?それは、普段正しく機能していない筋肉をこのエクササイズでは使うからです。なぜ日頃から治療的エクササイズを行うことを強調しているのでしょうか?それでは、なぜ私たちが重要だと思う理由を説明していきます。

私たちが行う治療的エクササイズの目的は正常な身体の機能を回復させることです。つまり、身体を動かした時に働くべき筋肉が働き、休むべき筋肉が休むといった筋肉の正しい機能を回復させるということです。ある動きをする時、もし筋肉が正しく機能していなかったら身体は間違った筋肉の使い方をします。すなわち、この動きのために使われるはずの筋肉が働かないがために、他の筋肉が必要以上に働いてしまうのです。身体はこのような調整を動いている時に無意識にしているのです。もしこのような調整が行われなかったら、自分が動かしたいように身体は動かないのです。これを職場にたとえてみます。職場でプロジェクトを進めている時にグループの誰かがあまり仕事をしないとします。その場合、プロジェクトを終わらせるためにグループの誰かがその人の分まで仕事をしないといけません。しかし、この状況が長い間続くと、この人は残業続きで疲れきってしまい病気になったり、バーンアウトしてしまいます。身体もこれと同じ状態なのです。必要以上に使われている筋肉はそのうち疲れきってしまうのです。

どうしてこのようなことが私の身体に起こっているの?その理由は脳がそれが正常だと思っているからです。筋肉は主に脳によってコントロールされています。脳は動作を制御しています。身体が動くとき、脳がどの筋肉が収縮するかまたは緩むかを決定します。脳にはそのプログラムが組み込まれているのです。

私の脳には正しいプログラムがあるんじゃないの?うーん、かつてはありました。しかし、間違った動きを長い期間しているうちに正しいプログラムは間違ったプログラムに書き換えられてしまったのです。病気などの問題がない限り、人は誰もが生まれた時に正しい動きの型を持っています(すなわち、脳に正しいプログラムがある)。しかしながら、その正しい動きの型は成長とともに失われていきます。それは怪我や文化、習慣が理由だったりします。例としては、怪我をして痛みをかばった動きをしたり、職場で長い時間座っている間に悪い姿勢をしていたり、などが考えられます。長い期間、特定の動きや姿勢をしていると脳はそれが正しい動きの型だと認識し、それを新しいプログラムとして書き換えます。これはよくスポーツで言われる「身体で覚える」と同じものです。運動選手が新しい技術を習得するとき、何度も何度もその技術を繰り返し練習します。例えば、バスケットボールのシュートなどです。よく、「身体で覚えろ」とコーチが言いますね。ここで実際に行われていることは繰り返し同じ動作を行うことでその動きの型を脳に覚えさせているのです。

じゃ、どうやったら間違ったプログラムを直すことができるの?間違ったプログラムを正しく書き換えるには何度も何度も正しい動きを繰り返しやることが必要なのです。そうしない限り、脳は正しい動きの型を再び覚えないのです。ですから、私たちは皆さんにクリニックに来た時だけでなく家でもこの治療的エクササイズをやるように強調しているのです。繰り返しやることがとても重要なのです。長い年月をかけて間違ったプログラムが書き換えられてきたので、もしかしたら正しいプログラムに書き換えるには時間がかかるかもしれません。それでも根気よく続けてくださいね。手っ取り早く直す方法はないのです。皆さんは正しい身体の機能を回復させるために脳の再教育をしなければならないのです。

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この記事を書いた人

パフォーマンスインテグレーション代表
全米アスレティックトレーナー協会公認、アスレティックトレーナー(ATC)

東京の市ヶ谷で怪我の予防と施術、リハビリテーション、トレーニングを行なっています。腰痛や膝の痛みのリハビリの専門家です。ブログではスポーツ障害や健康に役立つ情報を中心に発信しています。

アメリカの大学(NCAAディビジョン1)にて多競技でアスレティックトレーナー(ATC)として12年間働きました。多くの大学生やプロアスリートの怪我の予防や治療、リハビリを行なってきました。

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