トマトジュースが熱中症予防になる?

今年はとても暑い日が続きますね。パフォーマンスインテグレーションがある市ヶ谷も毎日とても暑いです。この時期になると毎年熱中症のニュースをよく耳にしますね。熱中症は正しい状況判断と行動で予防できます。先日、熱中症予防にトマトジュースが良いとテレビで聞きました。正直、考えた事なかったですね。回復にチョコレートミルクが良いというのと同じぐらい考えた事がなかったです。なぜ、熱中症予防にトマトジュースがいいのでしょう。

それはトマトジュースを飲むことで電解質の補給になるからです。熱中症の予防には水分補給と電解質の補給が重要ですが、それは汗とともに電解質が失われるからです。

体液には電解質が含まれています。例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、クロールです。みなさんも聞いた事がある名前があると思います。これらの電解質には身体の中での役割があります。例えば、身体の水分量の調節、神経の伝達、筋肉の収縮、骨や歯を作るなどです。多くの方はカルシウムと骨の関係を思い浮かべるのではないでしょうか。電解質は細胞や臓器の働きに深く関係していて、これらは少なすぎても、多すぎても身体の機能を低下させ、命にかかわることがあります。

命にかかわるといえばこの時期に多発する熱中症。熱中症の予防に重要な電解質はナトリウムとクロールです。熱中症予防に水分と塩分補給をしましょうとよく聞くと思います。塩分はナトリウムとクロールの化合物(ナトリウムとクロールがくっ付いた物)です。なぜ塩分が重要かというと、ナトリウムとクロールが身体の水分量と浸透圧の調節をしているからです。

じゃあ、熱中症予防のためには塩分をどれくらい取れば良いの?良い質問ですね!2009年6月19日に厚生労働省から発表された職場における熱中症の予防についてによると、

身体作業強度等に応じて必要な摂取量等は異なるが、WBGT基準値を超える場合は、少なくとも、0.1~0.2%の食塩水、ナトリウム40~80mg/100mℓのスポーツドリンク又は経口補水液等を、20~30分ごとにカップ1~2杯程度を摂取することが望ましい。

となっています。すなわち、食塩相当量でいうと 0.1g~0.2g / 100ml ということになります。食塩相当量とは食品のナトリウム含有量から計算された値です。次の式でもとめられます。
食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)×2.54÷1000

食塩を含んでいる飲み物というと頭に浮かぶのはトマトジュースではないでしょうか。もちろん、スポーツドリンクもありますね。最近、僕がよく自動販売機などで見かけるトマトジュースはサントリーの「すっきりしたトマト」とバヤリースの「さらさら毎日おいしくトマト」です。ではこのふたつの栄養成分表を見て見ましょう。

「すっきりしたトマト」には100gあたり0.10gと表示されています。では、「さらさら毎日おいしくトマト」はどうでしょう。こちらは100ml当り0.16gと表示されています。両方ともガイドラインを満たしていますね。

トマトジュースにはトマトからのリコピンも含まれているので健康にもいいですね。しかし、トマトジュースには塩分が含まれているので飲み過ぎには気をつけましょう。熱中症予防のためのドリンクの選択肢の一つとしてトマトジュースもあると覚えておくといいでしょう。

そして最後に最も重要な事、それは、熱中症による死亡事故は100%防げるという事です。

参考文献

https://www.otsuka.co.jp/nutraceutical/about/rehydration/water/electrolytes/

https://www.jpnsh.jp/data/salt_cnts002.pdf

https://www.suntory.co.jp/softdrink/greendakara/product/tomato/

https://www.asahiinryo.co.jp/products/fruit/bireleys_sarasara_tomato/

https://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/06/h0616-1.html

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この記事を書いた人

パフォーマンスインテグレーション代表
全米アスレティックトレーナー協会公認、アスレティックトレーナー(ATC)

東京の市ヶ谷で怪我の予防と施術、リハビリテーション、トレーニングを行なっています。腰痛や膝の痛みのリハビリの専門家です。ブログではスポーツ障害や健康に役立つ情報を中心に発信しています。

アメリカの大学(NCAAディビジョン1)にて多競技でアスレティックトレーナー(ATC)として12年間働きました。多くの大学生やプロアスリートの怪我の予防や治療、リハビリを行なってきました。

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