渡邊雄太NBA選手になる

 

2018年10月28日に渡邊雄太選手はメンフィス グリズリーズの一員としてNBAデビューを果たしました。おめでとうございます。長い間アメリカでスポーツの現場に関わってきた日本人として非常に嬉しく、そして興奮しています。

NBAでプレー出来る選手は世界でもほんの一握りの選手だけです。アメリカ人でもそう簡単にはなれません。NCAAディビジョン I の選手でもほとんどがNBA選手になることはできません。僕はディビジョン I の学校で多くの選手を見てきましたし、NCAAの試合はかなりの数を見てきました。その中で運動能力の高い選手や技術の高い選手を見て、「こいつスゲーな」と思うこともしばしばありましたが、必ずその選手がNBA選手になったわけではありません。

アメリカの多くの少年たちはNBAでプレーすることを夢見て努力をしながら育ちます。ディビジョン I からの奨学金をもらうという最初の難関を通り、4年間毎日のようにNBAに行くために努力をします。しかし、それでも夢が叶わない選手がほとんどです。どれぐらいのNCAAの選手がNBAにドラフトされるか知ってますか?それは約1%です。そして、ドラフトされたからといってロスターに入る保証は無いのです。そんな中、渡邊選手はドラフトされなかったにも関わらず、まして今シーズンが開幕して間もないこの時期にNBAデビューを果たしたのです。

正直こんなに早くNBAで彼がデビューを果たすとは思っていませんでした。NBAでプレーするチャンスはあると思いながらも、もう少し時間はかかるかなというのが僕の率直な印象でした。しかし、それを覆す嬉しい驚きでした。それは彼がアメリカに来てから絶え間なく努力をしてきた結果です。アメリカ人の誰よりも努力してきたことでしょう。アメリカでは結果を出さなければ本当の評価はされません。1%ほどの選手しか行けないところに単に努力をしたから入れてあげようなんていう優しいところではありません。ですから、彼は実力で勝ち取ったのです。彼が達成したことは「すごい!」としか言い表わしようがないのですが、この感覚の重さと深さは言葉では伝えきれないものなのです。

一つの夢を叶えたと同時に次の新しいスタートラインに立ったばかり。引き続きの彼の飛躍を期待せずにはいられないです。

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この記事を書いた人

パフォーマンスインテグレーション代表
全米アスレティックトレーナー協会公認、アスレティックトレーナー(ATC)

東京の市ヶ谷で怪我の予防と施術、リハビリテーション、トレーニングを行なっています。腰痛や膝の痛みのリハビリの専門家です。ブログではスポーツ障害や健康に役立つ情報を中心に発信しています。

アメリカの大学(NCAAディビジョン1)にて多競技でアスレティックトレーナー(ATC)として12年間働きました。多くの大学生やプロアスリートの怪我の予防や治療、リハビリを行なってきました。

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