東京マラソンについて重要な事


先週末は東京マラソンでしたね。ランナーの方、大会で働かれた方、お疲れ様でした。あいにくの雨の中でのレースとなり皆さん大変だったと思います。

東京マラソンとは
東京マラソンはワールドマラソンメジャーズの一つです。それには6つの大会が登録されていて、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク、そして東京です。1年のうちで東京が3月上旬で最初に行われ、ボストン(4月中旬)、ロンドン(4月下旬)、ベルリン(9月下旬)、シカゴ(10月上旬)、ニューヨーク(11月上旬)の順番で行われます。1)

2019年の東京マラソンの定員は38,000人(マラソン:37,500、10km:500)でした。抽選で参加者が選ばれ、今年の倍率は約12倍でした。2) これだけ多くの人が走る大きな大会なので沿道の応援も多く、楽しく走れると思います。ランナーの方は挑戦してはいかがでしょうか?

大会当日の救護
42.195kmという長距離を走りますし、38,000人もの方が参加しますので大会当日の救護は大切です。東京マラソンではコース前半は5km毎、コース後半は2km毎に救護所が設置されていました。各救護所には医師、看護師、トレーナーが待機し、レース中に体調が優れなくなったランナーの対応をしていました。3) ランナーの方は準備をされて大会に臨んでいると思いますが、レース中に突然体調を崩したり、今年のように悪天候の為に体調を崩す場合があります。そんな時は無理をせず、救護所に待機している医療スタッフに相談しましょう。

マラソンによる怪我
東京マラソンのウエブサイトによると、昨年2018の大会で救護所を利用したランナーの怪我の多かった順番は

  1. 筋肉痛
  2. 下肢けいれん
  3. 関節痛
  4. マメ、靴擦れ
  5. 疲労

となっており、毎年同じような傾向だそうです。3)

僕がシカゴマラソンでメディカルボランティアをした時も同じような怪我が多かったです。僕が担当したメディカルテントはゴールまであと1マイルという最後のメディカルテントでした。もうすぐでゴールという地点でしたので、皆さんそれまで何時間も長い距離を走ってきて身体の疲労が大きいので特に下肢けいれんは多くみました。

怪我の原因
では何故このような怪我が起こるのでしょう?東京陸上競技協会医事委員長の三橋敏武さんによると、次の8つの原因が考えられるようです。3)

  1. 練習不足
  2. 疲労の蓄積
  3. 早すぎるペース
  4. 脱水症
  5. 薄いランニングウエア
  6. 馴れないウエア
  7. 馴れないシューズ
  8. 大会前の故障・体調不良

三橋さんがそれぞれについて説明をされているので参考にして下さい。この中でいくつか僕が気になる点をお話します。

練習不足:SNSなどでもたまに見かけますが、マラソン大会にほとんど練習無しで参加する人がいます。これはとても危険ですのでやめましょう。ご存知の通り、42.195kmはとても長い距離であり、その距離を走るということは身体への負担がとても大きいです。練習無しでこの距離を走れば筋肉や関節を痛めることは容易に分かりますし、内臓器官への負担も多大です。計画をして長期の練習をしてから参加しましょう。

脱水症:身体は自分が思っている以上に脱水しているものです。マラソンを走りきるには適切な給水は欠かせません。脱水を予防するにはレース中にこまめな水分補給をすることが重要です。喉が渇いていなくてもレース中は定期的に水分補給を行いましょう。喉が渇いてから飲むのでは遅く、身体はすでに脱水をしています!また、筋肉が正常に働くためには単に水だけでは足りません。電解質の補給が重要になります。スポーツドリンクなどを使い失われた電解質を補給しましょう。脱水は筋けいれんの原因となります。一度筋けいれんが始まるとレースが困難になるので気をつけましょう。

馴れないウエア:普段着ているウエアを着ましょう。新しいウエアを着ることは避けてください。新しいウエアを長時間着ることで思わぬところが擦れることがあります。長時間擦れていると徐々に不快感、そして痛みに変わってきます。例えば、男性では乳首が擦れて出血することが多く見られます。不快感や痛みを感じながら長時間走るのはとても苦しいので気をつけましょう。摩擦が考えられる場所に予めバンドエイドを貼ったり、ワセリンを塗ると予防になります。また、マラソン大会のゼッケンをもらいに行くと参加記念のTシャツをもらう場合が多いですが、それを大会でいきなり着るのは避けるといいでしょう。

東京マラソンでのアスレティックトレーナーの活動

写真:阿部さゆりさんより ありがとうございます。: )

今年の東京マラソンではATCの友人が救護スタッフとして働きました。レースが安全に行われるように救護所で待機し、怪我をしている人には救護をしていました。万が一に備えてAEDもしっかりと準備されていました。雨の中お疲れ様でした。東京マラソンのような大多数の参加者で更には大きなエリアが競技コースとなる場合、万が一に備えて多くの救護スタッフが必要となります。医師や看護師と共に協力して働くことによってランナーが安全に大会を進めることができます。機会があれば多くのアスレティックトレーナーに参加してもらいたいです。

僕はシカゴマラソンでメディカルボランティアとして働いたことがあります。シカゴマラソンでは約1マイル毎にメディカルテントが用意されていました。そこには医師、看護師、アスレティックトレーナー、マッサージセラピストが待機しています。それぞれが協力し合い怪我をしたランナーを助けました。救急に搬送しなければならないケースもありましたし、普段一緒に仕事をする機会のない他の医療従事者と一緒に仕事ができてとても勉強になりました。

情報をうまく利用しよう
東京マラソンのウエブサイトにはメディカル情報のページがあります。そこには、マラソンに必要なトレーニングや栄養、体調管理などについて情報が提供されています。とても役立つ事が書かれているので普段ランニングをされている方や来年の東京マラソンに挑戦しようと考えている方は是非参考にしてください。正しい情報を利用してそれぞれの目標にあったトレーニングを行いましょう。

パフォーマンス インテグレーションが出来ること
私たち、パフォーマンス インテグレーションはランナーのサポートをする事ができます。ランナーの怪我の予防の為の施術やエクササイズ慢性的な怪我の改善パフォーマンス向上の為のエクササイズをひとりひとりにカスタマイズして、1対1のセッションを行っています。ひとりひとりに丁寧に向き合い多くのアスリートに結果を出しています。腰や膝、足首の痛みや違和感はありませんか?一緒に目標を達成してみませんか?

是非一度ホームページをご覧になってください。セッションに興味がある方、ご質問がある方は info@theperformanceintegration.com までご連絡ください。ご予約はこちらからお願いします。

 

参考文献:
1) https://ja.wikipedia.org/wiki/ワールドマラソンメジャーズ
2) https://blog.neet-shikakugets.com/tokyo-marathon-2016-enrty-start
3) https://www.marathon.tokyo/about/medical/medical_health/index04.html

 

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この記事を書いた人

パフォーマンスインテグレーション代表
全米アスレティックトレーナー協会公認、アスレティックトレーナー(ATC)

東京の市ヶ谷で怪我の予防と施術、リハビリテーション、トレーニングを行なっています。腰痛や膝の痛みのリハビリの専門家です。ブログではスポーツ障害や健康に役立つ情報を中心に発信しています。

アメリカの大学(NCAAディビジョン1)にて多競技でアスレティックトレーナー(ATC)として12年間働きました。多くの大学生やプロアスリートの怪我の予防や治療、リハビリを行なってきました。

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