アスレティックトレーナーが臨床で行き詰まったときの勉強法

臨床で行き詰まる
Photo by Toralf Thomassen on Unsplash

なかなか選手の状態が良くならず、臨床で行き詰まることってしばしばありますよね。僕もしょっちゅうあります!今でもそんなことの繰り返しです。今回はアスレティックトレーナーが臨床で行き詰まったときの勉強法についてお話します。

目次

こんな人に読んでもらいたい

担当しているチームの選手の怪我の状態がなかなか良くならないんですよ。
次に何をしたらいいんでしょうか?
何か良い方法はないですか?

この記事はこんな人に読んでもらいたいです。

・臨床で選手の状態が良くならず悩んでる人
・学生や経験の浅い人

基礎科学を復習して自分で考える

臨床で行き詰まる時は基礎科学を復習して、自分で考えてみましょう。これをすることで自分は何がよく理解できていないのか、何を忘れてしまっていたかが明確にすることができます。

例えば、筋肉の起始停止や動きを覚えてなかったり、そのエリアにある筋肉を忘れてしまっていたら、解剖学を復習して、そこから得た知識で何ができるか自分で考えてみましょう。復習することによって自分がやっていたことの理論や原理原則が理解できます。

他の例としては、スタティックストレッチについて実際身体に何が起こっているのか調べてみましょう。「単に筋肉が伸ばされている」ではなく、生理学的、神経学的にどんな事が身体には起きて、どう反応して、どんな効果があるのかなどを調べてみましょう。そして、いつ、どんなふうに使えばいいか自分なりに考えてみましょう。

基礎に戻って、情報を整理し、自分なりに考えることで自分が次にやることが見えてくるでしょう。なので、基礎科学を復習して、自分なりに考えることをしましょう。

方法論を探していたら、結局、状態は良くならない

臨床に行き詰まるとき、やり方だけ真似をしても選手の状態は良くなりません。それはなぜそのやり方をやっているのか理解していないからです。そして、なぜそれがその選手に必要なのかを理解していないからです。

もしかしたら、その時は上手くいくかも知れません。しかし、それが効かない場合も出てきます。そのときに次はどうすればいいか分からなくなってしまいます。

例えば、この選手に中臀筋のリハビリが必要だとします。ググったら中臀筋のエクササイズがいっぱい出てきました。その中で、エクササイズAを選びました。幾つもある中臀筋のエクササイズの中でなぜ、Aを選んだのでしょう?それを考える必要があるのです。このエクササイズは中臀筋のどの部分を使っているのか、どのような筋収縮の種類なのか、他の部位との関係はどうなのか、今の状態で代償なしにできる難易度なのか、などを考えなければならないのです。

ただやり方だけを探すのではなく、何故これがこの選手に今必要なのかを考えなければ結果は出ません。なので、方法論だけ探しても状態は良くなりません。

基礎を理解したら結果が出せるようになる

基礎を理解したら、それを元に応用が効くようになり、結果が出せるようになります。それは身体の原理原則を理解しているから状況に合わせて自分で考えることができるからです。

自分の引き出しが増えます。試行錯誤を繰り返し問題を解決できるようになります。それを繰り返していると、身体の関係性などが自分なりに理解できます。難しいケースに遭遇したときも、考えながら進めていくことができます。

例えば、AさんのACLのリハビリをしています。しかし、思ったように進みません。BさんのACLのリハビリの時は同じ時期に停滞したことありませんでした。同じプロトコルで進めているのにです。そんなとき、基礎を理解していたら、Aの身体に何が起こっているのか考えられるようになります。そして、もう一度評価をしてみよう、もう少し基礎的なことに戻ってみよう、もうちょっと違う方法をつかてみよう、など論理的に考えられます。こうすることによって、問題を解決できるようになり、最終的に難しいケースでも結果が出せるようになります僕はいつもこのようにして結果を出してきました。

タイパは求めない

残念ながらタイパ(タイムパフォーマンス)、いわゆる短時間で結果を出すことは無理です。先ほどお話した方法論に繋がるのですが、本当の実力を付けていくには時間がかかるのです。個人差はあれ自分で勉強し、知識を蓄えるのには時間がかかります。また、経験を積まなければできるようになりません。経験は物理的に時間を費やさなければな離ません。テクノロジーが発展した今、タイパを求める傾向があるように僕は感じています。しかしながら、どれだけテクノロジーが発展しようとこれに関しては自分で勉強し、経験を積まなければ出来るようになりません。これは普遍的なものでしょう。

まとめ

  • 基礎科学を復習して、自分で考えてみましょう。
  • 行き詰まったとき、やり方だけ真似をしても選手の状態は良くなりません。
  • 基礎を理解したら、それを元に応用が効くようになり、結果が出せるようになります。
  • タイパは求めない。

もし、考えることなしに、手っ取り早い方法で結果を出したいと考えていたら、残念ながらないでしょう。結果を出したければ地道な努力をするしかありません。近道はないのです。努力をしたら結果はついてきます。がんばりましょう!

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パフォーマンスインテグレーション:東京、市ヶ谷のプロ選手も通うスポーツの怪我のリハビリテーション専門院。米国アスレティックトレーナー(ATC)による施術とリハビリテーション。痛みの軽減とスポーツへの復帰をお手伝いします。16年間アメリカのトップアスリートを支えた実績。豊富な経験と知識、高い技術であなたの身体をケアします。ホームページはこちら

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この記事を書いた人

パフォーマンスインテグレーション代表
全米アスレティックトレーナー協会公認、アスレティックトレーナー(ATC)

東京の市ヶ谷で怪我の予防と施術、リハビリテーション、トレーニングを行なっています。腰痛や膝の痛みのリハビリの専門家です。ブログではスポーツ障害や健康に役立つ情報を中心に発信しています。

アメリカの大学(NCAAディビジョン1)にて多競技でアスレティックトレーナー(ATC)として12年間働きました。多くの大学生やプロアスリートの怪我の予防や治療、リハビリを行なってきました。

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