有鈎骨骨折とはどんなものか今回は簡単に説明をします。日本ハムファイターズの一塁手である清宮幸太郎選手が2019年3月3日のDeNA戦で右手有鈎骨を骨折する怪我をしました。
有鈎骨骨折した清宮幸太郎選手
日本ハムファイターズの一塁手である清宮幸太郎選手が2019年3月3日のDeNA戦で右手有鈎骨を骨折する怪我をしました。9回の4打席目でバットを振った時に痛みが発症しました。手首に痛みが走り、途中交代となりました。1)翌日4日の検査で右手有鈎骨骨折(ゆうこうこつ)が診断されました。2)そして、5日には有鈎骨骨片摘出手術が行われたと報道されています。3)この報道から、おそらく有鈎骨鈎の摘出が行われたのではないかと推測します。
手首の骨
手首の骨は2列あり、それぞれ4つずつ骨があります。手首に近い方(近位)の列にある骨は豆状骨、三角骨、月状骨、舟状骨、そして、指に近い方(遠位)の列にある骨は有鈎骨、有頭骨、小菱形骨、大菱形骨です。ちなみに英語で有鈎骨はHamateと言います。
有鈎骨とは?
有鈎骨とは手首にある8つの手根骨の1つの骨です。上の図の青いHが有鈎骨です。手首の小指側に位置しています。
有鈎骨の鈎は鉤とも書かれるそうです。鈎、鉤は「かぎ、こ、こう、はり、ち、はぜ」と読みます。これは上の写真のような先が曲がった棒状の金属製の器具で、曲がった部分を何かに引っ掛けて使います。英語で言うフックです。4)難しい漢字ですね。
ここで僕は「あー!」となりました。何故かというと、hamate boneにはhook of hamateといわれる部分があるからです(上の図の赤い部分)。日本語では有鈎骨鈎(ゆうこうこつこう)というそうです。これは何かというと、この骨のフックのように出っ張っている部分のことです。手根骨の中で珍しい形をしています。
有鈎骨骨折とは?
有鈎骨骨折とは手首の骨の一つである有鈎骨が折れることです。野球ではたまに見られる怪我なのですが、怪我全体としては少し珍しい怪我です。
有鈎骨骨折の原因
有鈎骨の骨折は手のひらが強い衝撃を受けた時に起こります。例えば、野球のグリップエンドからの圧力や転倒した時に手をついた時の衝撃などがあります。また、圧力が繰り返しかかると疲労骨折を起こすこともあります。
有鈎骨骨折の症状
有鈎骨骨折の症状は小指の付け根と手首の間に痛みを感じます。
有鈎骨骨折の診断法
有鈎骨骨折の診断は画像により行われます。まずはレントゲンを撮ることが多いでしょう。それで判明する時もあれば、レントゲンだけでは診断できないこともあるのでその場合はCTスキャンやMRIを撮ることになります。
有鈎骨骨折の治療法と完治までの時間
有鈎骨鈎は血流が悪いため治癒しにくい箇所です。治療方法はギプスによる固定や手術があります。ギプスによる固定の場合、治癒するまで6〜8週間もしくはそれ以上かかる場合があります。血流が悪いため長期間かかる場合があります。
手術はスクリューで骨接合をするか、骨片を摘出するかになります。手術後から復帰までは約6週間前後が一般的です。
参考文献
1)http://news.livedoor.com/article/detail/16103769/
2)http://news.livedoor.com/article/detail/16111622/
3)http://news.livedoor.com/article/detail/16113390/
4)https://ja.wikipedia.org/wiki/鉤
5) https://www.jssh.or.jp/ippan/sikkan/pdf/35_yukoukotsu.pdf