よく若いアスレティックトレーナーの方に「何を勉強したらいいか?」という質問をされます。
継続教育(CEU)はアスレティックトレーナーとしてキャリアを進めていく上で重要です。
今回は継続教育で何をどう勉強するか決める方法をお話します。
アスレティックトレーナーとして何に興味があるかを知る
まず、アスレティックトレーナーとして自分が何に興味があるのかを考えてみましょう。
アスレティックトレーナーは日々の業務の上で、多くの分野のことを知っている必要があります。
それゆえ、何を学ぶべきか迷ってしまうのはよくわかります。
昔をちょっと振り返ってみましょう。
学校でアスレティックトレーニングを勉強していたときの科目で自分が特に興味があったものは何だったでしょうか。
もしくは、苦手だった科目は何だったでしょうか。
それらを考えて、学ぶことを選ぶのも一つの方法です。
また、普段の仕事を考えてみましょう。
日々の仕事の中で何に興味がありますか。
現場で使う実践的な分野から考えていってもいいでしょう。
例えば、怪我の評価、治療、リハビリ、トレーニングなどが考えられますね。
自分が得意なことや興味があることを伸ばしていき専門性を高めていくのと同時に、自分が苦手なことや興味があまり無いことでも業務に関わることの底上げをする必要もあります。
そうして全体的にレベルアップしていくのが重要です。
スポーツによって怪我の部位の傾向がありますよね。
バスケットボールだったら足首や膝、野球だったら肩や肘、陸上の長距離だったら慢性の下肢の怪我ですね。
現在担当しているスポーツに必要な部位に関する評価や治療、リハビリ、トレーニングを勉強すれば、直接今の仕事に役立つでしょう。
しかし、別の見方をすると、スポーツではどんな怪我でも起こりえるので普段見慣れない部位について学んでおけばいざというときにしっかり対応できるようになるでしょう。
また、幅広い身体の知識を持っていれば多くのスポーツに対応できますよね。
一つのスポーツだけの専門性を高めるよりもオールラウンドな知識と技術を持っていた方がいいと僕は思います。
それは、アスレティックトレーナーとしての深みが増すからです。
多くのスポーツからの経験はアスレティックトレーナーとしての視野を広げ、怪我の評価や治療、リハビリなどのアイデアを生み、よりクリエイティブになります。
何事もそうなのですが、自分で自分の可能性を狭めることをするのはあまり得策では無いと僕は経験上思います。
まずは自分で何に興味があるかを考えることが重要です。
それは、自分の興味を明確にでき、その時点での方向性を決めることが出来るからです。
自分で考えて、自分で決めることが重要です。
これらの方法で学ぶことが出来る
興味がある分野が決まったら、次は学ぶ方法を見つけましょう。
方法はいろいろ考えられますよね。
例えば、ネット上にある記事や文献を読んだり、YouTubeで動画を探したり、本を読んだり、セミナーに参加したりなどです。
インターネット
インターネット上には多くの情報があります。
それを利用しない手はありませんよね。
自分の興味のあるセミナーや分野について検索してみると多くのサイトが検索されます。
それは、セミナー本家のサイトだったり、参加した人のレビューです。
それらを細かく読んでみましょう。
それなりの情報を得ることができるでしょう。
そして、その情報から自分が分からないことをさらに調べてみましょう。
分からない言葉や理論を深く掘っていきましょう。
それを進めていく中で、読む必要がある本などに出会えたりするでしょう。
このようにして、比較的お金をかけずに学んでいくこともできます。
そして、この過程でこれについてもっと知りたい、これが本当に勉強したいと感じたら実際にセミナーに参加すれば良いでしょう。
ネット上で得る情報については細心の注意を払いましょう。
誰もがネット上に情報を出すことができます。
ですからその情報が正確であるかどうかを見極めることが重要です。
誰が書いていて、書いている人や団体は信頼できるのか?いつ書かれた文章なのか、その文章は信憑性があるのか?を見極めましょう。
ネットにある情報や出版されている書籍の全てが正確な情報ではないということをしっかりと覚えておくことが重要です。
書籍
本にはとても多くの情報が載っています。
基礎から応用まで多くの本があり、自分に必要なレベルや情報の本を選ぶことができます。
理論を学ぶことができます。
ここで言う「本」とは一般の方向けの本ではなく、専門家向けの教科書を指します。
情報の信憑性の観点から、教科書レベルの本の方が信頼できるでしょう。
もちろん、一般向けの本からも学ぶこともできますが、その時はネット同様にどんな人が書いているのか、内容の信憑性はどうかを精査することをオススメします。
また、書籍は比較的安い値段で多くの情報を得られるとても良い品物です。
教科書などは1万円を超えるものもあり、本としては「高い」という印象を受けがちかもしれませんが、セミナーに参加をするよりもかなり経済的です。
この業界の世界中の多くの著名人が書籍を出版していて、多くのものは日本語にも翻訳されています。
元の言語が理解できる人は原書を読むことをオススメしますが、そうでなければ日本語で出版されている本を読めばいいでしょう。
論文
論文には1つのトピックについての実験の検証結果やそのトピックについての複数の論文をまとめたもの、珍しいケースについて報告したものなどがあります。
論文からは最新の情報が得ることができます。
また、そのトピックに関しての古い情報も得ることができます。
ほとんどの場合、トピックは1つなので限定的な情報を知ることができます。
多くの場合、教科書と違いページ数は少ないので読むのにそれほど時間がかかりません。
そのため、比較的気軽に読めるとも言えるでしょう。
多くの論文をより良く理解するには統計学やそのトピックの知識が必要な場合もあります。
ネットや書籍同様に、内容の信憑性や出版しているジャーナルのレベルの高さなどが読む論文を選ぶ際に気をつけることが必要です。
論文はただで取得できるものもあれば、有料のものもあります。
ネット上で探せば無料で見つかる場合もありますし、著者に連絡をしたらもらえる場合もあるようです。
セミナー
セミナーは実技を学ぶのにとても適しています。
それは、講師から直接指導を受けられることや他の参加者と一緒に実技を練習することができるからです。
本や動画で見ただけでは自分がその実技を正しくできているのか分からなかったり、実際の感覚が分からなかったりします。
実技を学ぶことを第一に考えている場合はセミナーに参加することが適しているでしょう。
セミナーといっても多くのコースがありますよね。
自分が興味のあるコースを見つけたら、まずは自分でよく調べてから受講することをオススメします。
今はセミナーを受講した人がネット上でレビューをあげている場合があります。
それを参考にすることもできます。
他には、信頼できる人からどんなコースがいいか教えてもらうこともできるでしょう。
しかし、この場合は事前に自分で調べ、具体的に質問を尋ねましょう。
何も考えずに丸投げすることはやめましょう。聞かれる方は大変困ります。
学会
学会では多くの方のプレゼンテーションを聞くことができます。
小さな学会ではトピックが決まっているものが多く、自分の興味にあった学会に参加することができます。
また、大きな学会では多くのトピックがあり、自分で好きなプレゼンテーションを選び参加することができます。
学会によってはその道の著名人が話をすることも多く、本人の話を直接聞くことができる貴重な機会でもあります。
そして、本人に直接質問ができる機会でもあります。
もし、それまでにその人の本や論文などを読み聞きたいことがあれば、直接答えてもらえる機会かもしれません。
結局どの方法がいいのか
いくつかの代表的な方法を紹介してきましたが、さて、どれが1番いいのでしょうか。
残念ながらどれが1番というのは無いでしょう。
まずは自分がやりやすいなと思う方法から始めるといいと思います。
そして、1つの方法に偏るのではなく、なるべくこれらの方法をバランスよく使いましょう。
それはそれぞれの方法に長所や短所があるからです。
それぞれ学び方で自分への刺激のされ方が違います。
いつも同じ方法で刺激を受けるよりも多くの方法で自分を刺激し、知的好奇心をかきたてましょう。
そして重要なことはどの方法にしろ、情報の信憑性を精査することです。
まとめ
まずは何に興味があるのか自分でよく考えることから始めましょう。
ここが1番重要でしょう。
自分で考えることでその時点での自分の方向性が明確になるでしょう。
学ぶ方法の代表的な例は
- ネット
- 書籍
- 論文
- セミナー
- 学会
があります。
自分の状況に合わせ、自分にとって学びやすい方法を選びましょう。
できるだけこれらの方法をバランスよく取るといいでしょう。
どの方法にしろ、その情報の信憑性を自分で精査することが重要です。