今日は「姿勢と運動の力学がやさしくわかる本」についてレビューをします。
「姿勢と運動の力学がやさしくわかる本」はカバーにも書かれている通り、アスレティックトレーナーなど身体に関わる人で、物理が苦手な人もスッキリわかるように書かれています。
1、バイオメカニクスはアスレティックトレーナーにとって必須の知識の1つ
バイオメカニクスとは
姿勢の調整や身体の運動について、力学の観点で研究する学問
(1
です。
この定義を聞いただけでもアスレティックトレーナーには必要な分野だということを感じるのではないでしょうか。
アスレティックトレーナーが
- 動きを評価
- エクササイズを処方
- 動きの改善を考える
ときなどにバイオメカニクスは役に立つ知識です。
ピッチングの動作解析に興味がある人は多いのではないでしょうか。
それもバイオメカニクスの研究の一部です。
しかし、これはその中でも高度な分野です。
今日紹介する「姿勢と運動の力学がやさしくわかる本」はそれを理解するための第一歩となる力学の基本についてです。
2、「姿勢と運動の力学がやさしくわかる本」にはバイオメカニクスの基本が書いてある
「姿勢と運動の力学がやさしくわかる本」にはバイオメカニクスの基礎が説明されています。
バイオメカニクスの基礎とは物理です。
物理の中でも力学と言われる分野です。
力学とは
物体にはたらく力とそれによって生じる運動を調べる学問
(1
です。
例えば、
- 慣性の法則
- 作用・反作用の法則
- てこの原理
などです。
聞いたことがあるのではないでしょうか。
「姿勢と運動の力学がやさしくわかる本」ではこれらをわわかりやすく説明しています。
「姿勢と運動の力学がやさしくわかる本」の目次は
Part1 力と重心
Part2 床反力と身体運動
Part3 並進運動と運動の法則
Part4 回転運動とモーメント
Part5 エネルギーとパワー
Part6 運動量と力積
です。
見開きで左のページに短い文章での説明、そして、右のページにそれについてのイラストでの説明が書かれています。
短く説明されていて、イラストがあるのでイメージしやすく分かりやすいです。
物理と聞いただけでちょっと拒絶しちゃう人もいるかもしれません。
物理は数式も出てきますから、数式なんか見ると余計に拒絶しちゃうかもしれません。
しかし、「姿勢と運動の力学がやさしくわかる本」では数式の使用は最低限にしてあります。
数学が苦手な人は説明で出てくる数式を自分の手で書きながら考えるといいと思います。
難しいことは出てこないので式を写しながら書くと頭の中でまとまりやすいかもしれません。
これくらいのレベルの数学と物理が理解できる必要はアスレティックトレーナーとして重要です。
「姿勢と運動の力学がやさしくわかる本」はとても基礎的なことをわかりやすく書かれているので分からない場合は何度も何度も繰り返して分かるまで読みましょう。
3、「姿勢と運動の力学がやさしくわかる本」は工学の専門家が身体を例にあげて説明している
「姿勢と運動の力学がやさしくわかる本」は3人の工学の先生によって書かれています。
江原義弘さん、勝平純司さん、山本敬三さんです。
彼らのプロフィールはリンクから見てください。
「姿勢と運動の力学がやさしくわかる本」のいいところは身体を例に説明しているところです。
アスレティックトレーナーにとっては身体を例に説明してもらったほうが分かりやすいですよね。
物理の力学の本を見ると、物を使って説明されています。
これはしょうがないのですが、「つまらない」と感じやすいですよね。
筆者は人間の身体を例に力学をわかりやすく説明したそうです。
すでに臨床に出ている人は「姿勢と運動の力学がやさしくわかる本」の例を見ることで自分が現場で行なっていることと繋げられるかもしれません。
この本の例が考え方のヒントになる人もいるかと思います。
4、まとめ
- バイオメカニクスの知識はアスレティックトレーナーには必須
- この本はバイオメカニクスの基本についてわかりやすく書かれている
- 身体を例にあげて説明しているのでわかりやすい
力学やバイオメカニクスの基礎をから学びたい人にはとてもいい本なのでオススメです。
この本を読んでもっとバイオメカニクスについて深めたい人は他にもバイオメカニクスの本があるので探してみてはいかがでしょうか。
参考文献
- 江原義弘、勝平純司、山本敬三『姿勢と運動の力学がやさしくわかる本』ナツメ社、2020年