中心性脊髄損傷: 2021年相澤ピーターコアミの怪我

中心性脊髄損傷
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サッカーのゴールキーパーである相澤ピーターコアミ選手が2021年12月9日に行われた日本プロサッカー選手会主催のトライアウトで中心性脊髄損傷の怪我をしました。今回は中心性脊髄損傷について簡単に説明します。

目次

相澤ピーターコアミ選手のインタビュー

中心性脊髄損傷とは?

脊髄(せきずい)とは脳から伸びて、背骨の中を通っている中枢神経です。脊髄損傷とはその脳から伸びている中枢神経を怪我することです。中心性脊髄損傷とは脊髄の中心部付近を怪我することを意味しています。

記事に書いてある相沢選手の怪我をした時の状況は相手選手の膝が相沢選手の頭部を直撃し、その後、頭部を固定されて搬送されたとのことです。この説明から想像すると、首の部分を走る脊髄を怪我をしたと考えられるので、中心性頸髄損傷だったのでしょう。首部分の脊髄のことを頸髄(けいずい)と呼びます

ここで一度まとめると、

・脊髄は背骨の中を通っている
・脊髄=中枢神経
・頸髄=首部分の脊髄
・中心性頸髄損傷=首の骨の中を通る中枢神経の中心部の怪我

完全損傷と不完全損傷

損傷の程度によって完全損傷と不完全損傷の2つに分けられます。完全損傷とは脊髄が完全に壊れた状態で脳からの指令や脳への指令が伝わらなくなります。どういうことかというと、動かすことができない、感じることが出来ない、ということです。

不完全損傷とは脊髄の一部が損傷し、機能の一部だけが働かなくなります。例えば、感じることはできるが、動かすことが出来ない、や、ある程度動かすことはできる、などです。

首の骨の中を走る脊髄の中心には上半身や腕、手に行く神経が集まっています。ですので、上半身や腕、手の働きが低下します。

知っておいてほしいこと

ここで知ってほしいとても重要なことは、中枢神経(脳や脊髄)は一度損傷すると二度と元には戻らないということです。ですから、先ほどお話した症状が一生残ってしまいます。中枢神経である脳や脊髄の損傷は大変重い怪我であるということを覚えておきましょう。

まとめ

  • 中心性脊髄損傷とは脊髄の中心部付近を怪我すること
  • 損傷の程度によって完全損傷と不完全損傷の2つに分けられる
  • 中枢神経は一度損傷すると二度と元には戻らない

参考文献

1、https://news.yahoo.co.jp/articles/265d5f1925908ccb4513f1329c187cac31c0df30

2、https://www.research.johas.go.jp/sekizui/

3、https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900067144/86-5-167.pdf

4、https://www.ninds.nih.gov/Disorders/All-Disorders/Central-Cord-Syndrome-Information-Page

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この記事を書いた人

パフォーマンスインテグレーション代表
全米アスレティックトレーナー協会公認、アスレティックトレーナー(ATC)

東京の市ヶ谷で怪我の予防と施術、リハビリテーション、トレーニングを行なっています。腰痛や膝の痛みのリハビリの専門家です。ブログではスポーツ障害や健康に役立つ情報を中心に発信しています。

アメリカの大学(NCAAディビジョン1)にて多競技でアスレティックトレーナー(ATC)として12年間働きました。多くの大学生やプロアスリートの怪我の予防や治療、リハビリを行なってきました。

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