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深部静脈血栓症とは何?:2019年ブランドン イングラム残りのシーズン全休へ

深部静脈血栓症
photo: Sports Illustrated

ロスアンジェルス レイカーズのブランドン イングラムはシーズン中の2019年に深部静脈血栓症と診断されたため、残りのシーズンを全休と発表されました。一般的に深部静脈血栓症とはどういうものなのか簡単に説明します。

目次

ブランドン イングラムが深部静脈血栓症のため欠場

2019年3月にブランドン イングラム右肩痛のためここ2試合を欠場していましたが、検査の結果イングラムの右腕に血栓が発見されました。そのため、残りのシーズンは欠場するとの発表がありました。

深部静脈血栓症とは

深部静脈血栓症の危険性

深部静脈血栓症自体は命に関わるものではありません。しかし、血栓が血管に流れてしまうと肺にある血管で詰まってしまい肺血栓症を起こします。肺血栓症は命に関わる場合があるので深部静脈血栓症は速やかに診断と治療をする必要があります。(3

原因

原因には3つの要素があります。(4

1、血液が固まりやすくなる。
2、血流が低下する。
3、血管の内壁が傷つく。

これらの状態になりやすい原因は以下のものがあります。(3 (5

・車やバス、電車、飛行機などでの長時間の移動や座りっぱなし
・手術後
・運動不足や肥満
・加齢
・妊娠、出産
・遺伝
・喫煙
・がんやがん治療
・ホルモン補充療法や経口避妊薬の使用
・脱水

症状

症状には次のようなものがあります。(3

・脚や腕の腫れ、痛み、熱感
・皮膚の赤さや変色
・皮膚表面の静脈が普段より大きい
・腹部の痛み
・強い頭痛

診断法

医師による問診や検査、家族の既往歴の調査が行われます。また、画像診断が必要となります。(3 以下のような検査により総合的に診断されます。(3 (5

・静脈超音波検査
・D-ダイマー検査
・CTスキャン
・MRI

治療法

治療には次のような方法があります。(6

・抗凝固薬
・血栓溶解療法
・カテーテル
・下大静脈フィルターの留置
・ストッキングによる圧迫
・間欠的空気圧迫法

深部静脈血栓症の治療期間

深部静脈血栓症の治療期間はその方の状況により異なりますが一般的に抗凝固薬を使用した場合、最低3ヶ月の服用が必要になります。(7

上肢の深部静脈血栓症

今回の例で挙げたブランドン イングラムの深部静脈血栓症は右腕に起こりました。深部静脈血栓症は比較的下肢で起こることが多く上肢で起こることは比較的少ないです。文献によると、上肢に起こる割合は深部静脈血栓症全体の4-10%と言われています。(8

一般的に深部静脈血栓症はエコノミー症候群と呼ばれ、長時間座りっぱなしなど脚を動かさずに同じ姿勢でいる場合に脚に起こることが多いです。ですので比較的珍しいケースだったと思います。

参考文献


1)https://bleacherreport.com/articles/2823689-lakers-news-brandon-ingram-out-for-season-shoulder-injury-caused-by-blood-clot
2) https://www.nba.com/news/brandon-ingram-out-rest-season-blood-clot-arm
3) https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/16911-deep-vein-thrombosis-dvt
4) https://musashinocvm.com/cardiology/cardiology10/#:~:text=深部静脈血栓症の原因&text=1.%20血液の凝固性,流れが悪くなります%E3%80%82
5) https://doctorbook.jp/contents/311#:~:text=深部静脈血栓症の,症候群」もリスク因子です%E3%80%82
6) https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/04-心血管疾患/末梢静脈疾患/深部静脈血栓症(dvt)
7) https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/CIRCULATIONAHA.113.006285#:~:text=In%20general%2C%20if%20the%20risk,some%20cases%2C%20life%2Dlong.
8) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5415909/

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この記事を書いた人

パフォーマンスインテグレーション代表
全米アスレティックトレーナー協会公認、アスレティックトレーナー(ATC)

東京の市ヶ谷で怪我の予防と施術、リハビリテーション、トレーニングを行なっています。腰痛や膝の痛みのリハビリの専門家です。ブログではスポーツ障害や健康に役立つ情報を中心に発信しています。

アメリカの大学(NCAAディビジョン1)にて多競技でアスレティックトレーナー(ATC)として12年間働きました。多くの大学生やプロアスリートの怪我の予防や治療、リハビリを行なってきました。

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