腿の打撲|やってはいけない行動と回復を早める治し方

腿の打撲

スポーツ中に膝がぶつかって、歩くのもつらい——そんな経験はありませんか?「腿の打撲」は、スポーツ外傷の中でも非常に多い怪我で、全体の12.1%を占めると言われています (1)。正しい対処を知らないと回復が遅れるだけでなく、再発やパフォーマンス低下の原因にもなります。今回は腿の打撲をした際にやってはいけないことと早く治すためにやるべきことを紹介します。

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目次

腿の打撲でやってはいけないこと

1、固定しすぎること

打撲をした時に、膝を曲がらないように装具や包帯で長時間固定するのは避けましょう。膝を曲げると痛いので、痛みを避けようと固定してしまう気持ちは分かりますが、それが逆効果になります。動かさずにいると、打撲した筋肉が固まってしまい、膝の曲げ伸ばしが難しくなったり、痛みが長引いたりする原因になります。また、打撲をした場所が固くなってしまうと他の問題へ発展してしまいます。

2、パッド無しでの復帰

打撲の症状が回復し、競技へ復帰する際には必ず打撲をした部分を保護するパッドを付けましょう。コンタクトスポーツでは腿への打撲がよく起こります。パッドを着用することで、再度の打撲を予防したり、怪我を軽度に抑えることができます。厚手のフェルトで患部を覆い伸縮性の厚手の包帯で巻く方法やパッドが腿の部分に入っているタイツを着用する方法があります。

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腿の打撲から早く回復するための3つのポイント

1、ストレッチする

受傷してなるべくすぐに膝関節を曲げるようにしましょう。早期に膝を曲げ、腿を伸ばすことで患部が固くなるのを防ぐことができます。打撲した筋肉が固まらないようにすることが、回復を早める最大のポイントです。膝を曲げることで患部が伸ばされるので痛みを感じますが曲げることが必要です。その時、あまり強い痛みを感じるのはよくないので我慢できる範囲で曲げましょう。しかし、少なくとも「膝を120度」に曲げることが必要です(2)。早期に膝を120度くらいまで曲げておくことで、内出血が固まってしこりのように残ってしまうのを防ぐ効果があります。また、筋肉が硬いしこりのように変化してしまう「骨化性筋炎(こっかせいきんえん)」という後遺症のリスクも減らせると一部の医療論文によって報告されています (3)。

次にストレッチのやり方を説明します。壁に寄りかかった状態で足を伸ばして座ります。そして、膝を胸に近づけるように負傷した膝関節と股関節を曲げます。その状態を保つために腿と脛の全体を伸縮性包帯やプラスチックラップで巻き、固定するといいでしょう。その際、痛みを軽減させる方法はアイスバッグを打撲した部分に置いてから巻くことです。その状態で20分間アイシングをしながら打撲をした部分を伸ばします。これを一日に数回やるようにしましょう。

打撲ストレッチ

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2、圧迫する(患部を軽く包帯などで巻いて内出血や腫れを防ぐ方法)

ストレッチをしていないときは伸縮性包帯などで腿を軽い強さで巻いて圧迫をしましょう。圧迫をすることで腫れの軽減と予防ができます。この時の注意は伸縮性包帯を強く引っ張って巻くことはやめましょう。強く巻くことによって圧迫が強すぎてズキズキと痛くなります。この圧迫は日中も夜間も継続することが効果的です。お風呂に入るとき以外は、基本的に常に包帯を巻いた状態にしておきましょう。

3、動かす

なるべく早いうちに、痛みのない範囲で膝を曲げ伸ばしすることが大切です。無理に動かすと逆効果なので、徐々に範囲を広げていきましょう。

段階的なステップ

STEP
ゆっくり膝を曲げる・伸ばす動作を繰り返す

仰向けまたは足を前に伸ばして座り、踵をお尻に近づけるようにゆっくり膝を曲げる・伸ばす動作を繰り返す。

膝曲げ伸ばし
STEP
痛みが減ってきたら、立位での動きに移行

小さな動きから始めるスクワット(膝の曲げ伸ばし)を試す。

ミニスクワット
STEP
さらに回復が進んだら

最後は前・横・斜めへの軽いランジ動作を試しましょう。スポーツ動作に近づけることで、よりスムーズな復帰が目指せます。

ラテラルランジ

ポイント「痛くない範囲で」「少しずつ」が基本です。無理に動かすのではなく、日々少しずつ動作範囲を広げていきましょう。

まとめ

腿の打撲をした際には早期に膝を曲げて打撲をした部分をストレッチすることが回復を早めるために一番重要です。膝を固定して動かさないままでいると、筋肉が固まり回復が著しく遅れるだけでなく、後遺症のリスクも高まります。「早めに・無理なく・少しずつ動かす」ことが、早期回復へのカギです

参考文献

  1. Trojian, Thomas H. Muscle contusion (Thigh). Clin Sports Med 32 (2913) 317-324.
  2. Ryan Jack B. Quadriceps Contusions West Point update, The American Journal of Sports Medicine, Vol. 19, No. 3, 1991.
  3. Kart, Joel M. Diagnosis and management of quadriceps strains and contusions, 2010, Curr Rev Musculoskelet Med (2010) 3:26-3.

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この記事を書いた人

パフォーマンスインテグレーション代表
全米アスレティックトレーナー協会公認、アスレティックトレーナー(ATC)

東京の市ヶ谷で怪我の予防と施術、リハビリテーション、トレーニングを行なっています。腰痛や膝の痛みのリハビリの専門家です。ブログではスポーツ障害や健康に役立つ情報を中心に発信しています。

アメリカの大学(NCAAディビジョン1)にて多競技でアスレティックトレーナー(ATC)として12年間働きました。多くの大学生やプロアスリートの怪我の予防や治療、リハビリを行なってきました。

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