屈筋支帯内側損傷、後脛骨筋腱脱臼:2024年ポルジンギスの怪我

2024年NBAファイナル第2戦でボストン セルティックスのポルジンギス選手が足首の怪我をしました。この怪我は屈筋支帯内側損傷、後脛骨筋腱脱臼で、とても珍しい怪我なのでアスレティックトレーナーの視点で簡単に説明をします。

今回のポルジンギス選手の怪我は左足首の屈筋支帯内側損傷、後脛骨筋腱脱臼です。(1

ゲーム2の3クオーター残り時間3分27秒に怪我は起こったとセルティックスが発表しています 。(1 その後、プレーは続けましたが痛みが強くなってきたためにプレーを中止しました。

どのような怪我か簡単に言うと、

内くるぶしの少し後ろを通っている筋肉の腱がそれを抑えている繊維質の膜が損傷しずれてしまった、

ということです。

現在出ている情報ではプレー出来るかは足首の様子を見ながら決めるということです。その情報から推測すると腱自体には大きな損傷もなく、機能としても働いているので痛みの程度が低ければプレー出来るという判断でしょう。

しかし、腱がずれてしまい、本来あるべき位置に無く運動を続けると腱が損傷する可能性はあるでしょう。内くるぶしと擦れて炎症を起こしたりなどの可能性もあります。それらにより腱の機能が正常でなくなったり、痛みが強くなった場合はプレーを中止せざるを得ないでしょう。

屈筋支帯内側が損傷しているのでシーズン終了後にそれを治すための手術は行われることはほぼ確実だと思います。

最初に珍しい怪我と言いました。複数の文献で珍しい怪我と書かれています。2006年の文献によると、この怪我に関する英語による文献は1968年以来32文献しか無いそうです。(2 もちろん、僕もこの怪我を実際に見たことはありませんし、聞いたこともありませんでした。

不運にもとても珍しい怪我をしてしまったポルジンギス選手ですが、まだプレーを続けられる可能性が残っているようです。とても重要なファイナルですから怪我が悪化せずにプレーを続けられることを祈るばかりです。

参考文献
1. https://www.nba.com/celtics/news/press-release-20240611-kristaps-porzingis-injury-update
2. Goucher, Coughlin, Ronald (2006). Dislocation of the posterior tibial tendon: a literature review and presentation of two cases. The Iowa Orthopedic Journal, Vol 26, 122-126.

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この記事を書いた人

パフォーマンスインテグレーション代表
全米アスレティックトレーナー協会公認、アスレティックトレーナー(ATC)

東京の市ヶ谷で怪我の予防と施術、リハビリテーション、トレーニングを行なっています。腰痛や膝の痛みのリハビリの専門家です。ブログではスポーツ障害や健康に役立つ情報を中心に発信しています。

アメリカの大学(NCAAディビジョン1)にて多競技でアスレティックトレーナー(ATC)として12年間働きました。多くの大学生やプロアスリートの怪我の予防や治療、リハビリを行なってきました。

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