チームでATとSCを1人で兼任する環境を変えるためには?

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前回のブログで「ATとSCを1人で兼任するべきでは無い4つの理由」という投稿をしましたが、現実にはATとSCを1人で兼任している現場が日本ではあるでしょう。そのような状況を僕らATやSCはどうしていけば良いのか考えてみたいと思います。

どうしてこれらの役職を1人で兼任する状況がある根本的な理由はチームの経営側がATやSCの役割や重要性を理解していない場合がほとんどでしょう。もしくは、専門家がATとSCの両方を自分1人でやりたいという場合もあるでしょう。この場合についての僕の考えは前回のブログに書いたのでそちらを参照してください。両方をやりたい方はもちろんそれで良いでしょう。

では、チームの経営側が理解していない理由は何でしょうか?僕の印象は2つです。

1、ATとSCの違いを理解していない。
2、ATとSCの違いは分かっているが、予算が無い。

そして、おそらく「2」の場合が多くを占めているのではないでしょうか。

このような状況を僕らATやSCはどうしたら良いか考えていきましょう。

1、ATとSCの違いを理解していない
身体の専門家ではない経営側はATとSCが同じような職種であるため違いが分からず、1人で両方出来るものだと思っているかもしれません。このように「知らない」場合は僕ら専門家から「教育」することが必要でしょう。ATとSCはどう違くて、どうして別々に必要なのかプロとして説明する必要があります。この説明することを避けてはいけません。僕らはプロですから自分の仕事についてしっかりと説明をして理解を促しましょう。雇う側と雇われる側でどちらが偉いということはありません。プロとして自分の知識と技術を提供しチームに貢献する訳ですから、プロとして説明することを遠慮してはいけません。

2、ATとSCの違いは分かっているが、予算が無い
こちらの方が解決には難しい状況ですよね。すぐに解決に至らないかもしれませんが、説明と説得を続けましょう。

もし、予算が無いからATとSCを兼任してくれないかと頼まれた時、

A、プロとして「NO」と言う。
「NO」と言うことも時には大切かもしれません。専門性が違う訳ですからそれを説明して兼任は出来ないと言うことを伝えても良いでしょう。僕は帰国してからの仕事で「トレーニングを見てもらいたい」という要望をいただいた時がありましたが、その業務についてはお断りしました。その際、それは僕の専門ではないので難しいこと、僕の専門は何でありそれでならチームに貢献ができるということをしっかりと説明しました。

B、自分の出来ることに責任を持つ。
プロとして両方の業務を責任を持って選手のために出来るかどうか考えることが大切です。自分が「両方やりたい」ではなく、選手に質の高いサービスを提供できるかを第一に考えるべきです。僕らの仕事で重要なことは「選手がよくなること」が肝心なことだからです。そして、最終的には自分の仕事の質が経営側や選手から評価されるということを覚えておきましょう。

C、搾取させない。
雇われる側だから立場が弱いと考えるのはやめましょう。僕らは選ばれる側であると同時に選ぶ側でもあるのです。プロとしての自信を持ちましょう。予算が無くてATとSCを両方を雇えないというのは経営側の問題であり、僕らATとSCの問題では無いのです。経営側が解決することであって、僕らが無理をする必要は無いのです。そもそも、両方を雇う資金が無い経営だったり、両方を雇う必要性を感じていない価値観は組織として「危険信号」ですよね。

D、現状を変える意識を持つ。
1人でATとSCを兼任する状況は望ましいのでしょうか?前回のブログで述べたように僕は望ましく無いと思います。長い間アメリカでATとして仕事をしてきた経験から言うと、チームで仕事をする場合はATとSCを兼任することはベストでは無いです。日本の選手のパフォーマンスが上がり、スポーツ界が発展していくためにもそれぞれの専門家がチームに存在し、協力して仕事をするべきです。日本もそのように変わっていかなければならないと思います。簡単ではありませんが、「変化させる」ことを意識してみましょう。

 

しかしながら、「そんなこと言ってもとりあえず仕事が必要なんです」と読みながら思っている人も多いと思います。もちろん、僕もその気持ちは理解できますし、現状は言うほど簡単ではないというのは分かります。生活をしていくために仕事をしていかなければならないというのが現実です。また、それぞれがキャリアの中でどの位置に現在いるかも違うことも理解しています。それを踏まえた上で、この中から出来ることを自分なりに試みたり、これらの事について少しでも考えてもらうきっかけになったらと思い書きました。

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この記事を書いた人

パフォーマンスインテグレーション代表
全米アスレティックトレーナー協会公認、アスレティックトレーナー(ATC)

東京の市ヶ谷で怪我の予防と施術、リハビリテーション、トレーニングを行なっています。腰痛や膝の痛みのリハビリの専門家です。ブログではスポーツ障害や健康に役立つ情報を中心に発信しています。

アメリカの大学(NCAAディビジョン1)にて多競技でアスレティックトレーナー(ATC)として12年間働きました。多くの大学生やプロアスリートの怪我の予防や治療、リハビリを行なってきました。

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