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アスレティックトレーナーが身近にいた方がいい理由6つ

From NATA.org

毎年3月はアスレティックトレーニング月間です。これはNATA(全米アスレティックトレーナー協会)が行なっているイベントで、アスレティックトレーナー(AT)の認知を上げるために行われています。

ということで、僕もATとして認知度を上げるためにこの記事を書いてみたいと思います。

日本ではまだATについて社会ではあまり知られていません。実際にATを組織で雇っているところはとても少ないです。プロチームにATはいるものの、大学や高校などの教育機関では常勤として雇われていることは少ないです。以前に比べ、大学ではATが雇われてきましたが、高校ではわずか数校だと思います。まして、企業でATを社員のために雇っているところは僕は知りません。

そこで、なぜアスレティックトレーナーが身近にいた方がいいかを書いてみます。

目次

スポーツ選手の命を守ることができる

まず最初にアスレティックトレーナーの1番重要な使命は「スポーツ選手の命を守る」ことです。スポーツ現場においてATの仕事は怪我の処置や治療、リハビリが日常的に行われていますが、何よりも重要な役割は命に関わる事故が選手に起こらないように管理すること、起こってしまったときに適切に対処して適切な医療機関へ受け渡すことです。

日本でも近年、スポーツ現場では熱中症や脳震盪など命に関わる事故が起こっています。適切な管理を行えば熱中症は100%予防することができます。ATはその管理をしっかりできる知識を持っています。

また、ATはCPRとAEDの資格を所有しています。万が一、競技中に心疾患が起こった場合にアスレティックトレーナーは素早くCPRとAEDを行うことができます。

怪我を予防することができる

アスレティックトレーナーの仕事として重要なことは怪我を予防することです。ATは怪我の治療やリハビリもできますが、いかに怪我を予防できるかを重要視しています。スポーツ選手にとって怪我をしない方がいいに決まってますよね。ですから、あらかじめ怪我をしないように体の機能を整え、そして高めることにより怪我を予防するのがATの重要な仕事です。

怪我をできるだけ予防すれば選手はプレーを休む必要がなくなりますし、長い目で見たら選手寿命も伸びます。その手助けをできるのがアスレティックトレーナーです。

怪我が起こったときに適切な対応ができる

アスレティックトレーナーは怪我に対して適切な対応ができます。どれだけ怪我の予防を行っても、残念ながらスポーツでは怪我が起こってしまいます。「怪我はスポーツの一部」と言う人もいます。怪我は突き指のような軽度のものから首の怪我などの重度なものまで起こります。骨折や脱臼、ACL(前十字靭帯)損傷のような大きな怪我が起きた時にアスレティックトレーナーは適切な処置をするようにトレーニングされています。

例えば、学校の部活やクラブチームで怪我が起こったとき、コーチは怪我の対処に戸惑ってしまう場合が多いのではないでしょうか。コーチは怪我の対処を専門としていないので当たり前ですよね。そんな時、コーチも選手もどうしていいか分からず不安になるでしょう。また、チームスポーツの場合は他の選手たちもいます。アスレティックトレーナーがいれば怪我をした選手の対処はATにまかせ、コーチは安心して他の選手を見ることができます。

親御さんが安心できる

もし、アスレティックトレーナーが子供の所属する組織にいたら、子供が怪我をした時に親御さんが安心できます。日本では中学生、高校生のスポーツ活動が盛んに行われています。学校の部活であったり、クラブチームであったり活動の形は様々です。子供が怪我をした時に親御さんはとても心配になりますよね。どんな怪我なのか、怪我の程度はどうなのか、病院に行くべきなのか、家では何をすればいいのか、など質問は多くあります。ATがその組織にいればATは親御さんに怪我についての説明やアドバイスができます。また、親御さんも気軽に怪我について質問をすることができます。怪我の専門家であるアスレティックトレーナーが常にいれば親御さんは安心して子供にスポーツをさせることができます。

リクルートを有利に行なうことができる

アスレティックトレーナーがいることでコーチはリクルートを有利に行うことができます。ATの役割は怪我の予防や治療、リハビリなど多岐にわたります。選手の健康を保ち、パフォーマンスの向上の手助けができます。コーチだけでなく、そんな専門家がいることはチームにとっての強みです。選手もサポート体制がしっかりしたチームでプレーすることを望むでしょう。

現在、学校でATを常勤として雇っているところはとても少ないです。多くの場合、チームが必要に応じてATを雇っているケースが多いのではないでしょうか。日本の現状では今すぐに公立高校で常勤のATを雇うことは難しいかもしれません。しかし、私学では可能ではないでしょうか。アスレティックトレーナーが常駐して運動部の怪我の管理をしていることは学校にとって危機管理のいいアピール以外のなにものではないでしょう。

企業の医療費を削減できる

アスレティックトレーナーを雇うことで企業は医療を削減できます。アメリカでは航空業界のボーイング社などがATを雇って従業員の健康管理を行うことにより、怪我人を減らすことに成功し、企業の医療費を大幅に削減しました。ボーイング社の場合、現場で働く従業員の怪我を予防しました。怪我の予防プログラムを提供したり、体の不調(例えば腰などの痛み)などあればATが治療をして怪我が悪化しないようにしました。また、ボーイング社ではATが実際に現場に出向き、どんな作業をしているのかを観察し、体に無理のない体勢で作業する方法を提案しました。

ATがいることで怪我人が減り医療費の削減ができるだけでなく、企業の生産性も保つことができます。怪我によって従業員が職場から離れる時間が増えれば、企業としての生産性は落ちてしまいます。その上、医療費がかさむと企業としてのダメージは大きいですよね。

アメリカではATの職域は単にスポーツ現場だけにとどまらず、企業や軍隊の健康管理にまで及んでいます。それだけアスレティックトレーナーの知識と技術が認められ、必要とされているということでしょう。

まとめ

アスレティックトレーナーは人々の健康管理をすることができ、人々の健康に役立つことができます。ATがいることによって以下のことができます。

  • スポーツ選手の命を守ることができる
  • 怪我を予防することができる
  • 怪我が起こったときに適切な対応ができる
  • 親御さんが安心できる
  • リクルートを有利に行なうことができる
  • 企業の医療費を削減できる

ですから、アスレティックトレーナーが身近にいるようになってもらいたいです。是非、みなさんもATのことをもっと知ってください。そして、自分の身近な人に「アスレティックトレーナーってこんなことが出来るらしいよ」って話をしてくださるととても嬉しいです。

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この記事を書いた人

パフォーマンスインテグレーション代表
全米アスレティックトレーナー協会公認、アスレティックトレーナー(ATC)

東京の市ヶ谷で怪我の予防と施術、リハビリテーション、トレーニングを行なっています。腰痛や膝の痛みのリハビリの専門家です。ブログではスポーツ障害や健康に役立つ情報を中心に発信しています。

アメリカの大学(NCAAディビジョン1)にて多競技でアスレティックトレーナー(ATC)として12年間働きました。多くの大学生やプロアスリートの怪我の予防や治療、リハビリを行なってきました。

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