相変わらず暑い日が続きますね!今年は異常ですね。8月に入り夏休みが本格的に始まり、学生スポーツ全国大会が始まります。インターハイ、甲子園での高校野球、全中などが行われます。この大舞台ではみなさんにいいパフォーマンスをしてもらいたいですね。暑い中でもいいパフォーマンスをするためには水分補給が重要です!
僕はパフォーマンス インテグレーションで仕事をするだけでなく、サポートスタッフ アスレティックトレーナーとして時折日本バスケットボール協会の仕事もしています。先日もその仕事でナショナルトレーニングセンターへ行きました。ナショナルトレーニングセンターには多くの競技のそれぞれの年代別の日本代表レベルの選手が集まってトレーニングをしています。そこにあるダイニングルームで食事をした時に管理栄養士さんが栄養教育イベントとして水分補給についての情報を選手たちに提供していました。とてもいい情報なのでこちらで共有したいと思います。
運動中の水分補給のポイント
水分補給で運動時に効果的な3つのポイントは以下の3つです。
①量
②タイミング
③中身
ではひとつひとつ詳しくみていきましょう。
ポイント1:量
ポイント1:量
運動前後の体重を測定しましょう
体重の2%以上水分が失われると、パフォーマンスの低下を引き起こします!生理学的な身体の反応はこのように起きます。
脱水が2%以上
↓
のどが渇く
↓
体温上昇
↓
心拍数増加
↓
パフォーマンス低下
運動前後の体重を測定することで練習中にどれくらい水分を失ったか、練習中の水分補給が足りていたか、練習後に摂取するべき水分量がわかります。
2%以上の減少でパフォーマンスの低下が起こると言われていますが、現場ではそれを予防することが重要です。ですので減少が1%以上だったら積極的な水分補給をするように伝えることが大切だと思います。
運動前後での体重の減少の割合は以下の式で求めることができます。
(運動前の体重kg − 運動後の体重kg)÷ 運動前の体重kg × 100 =減少率%
現場でこれをやる方法としては前もって表を作って記入するのが良いでしょう。
例
名前 | 前 | 後 | % |
フジハシ | 60 | 59 | 1.7 |
・ ・ ・ |
練習場に来たらまず最初に体重を量り記録します。そして、練習直後に再び体重を量り記録します。その後、割合を計算し、1%以上減少している選手に個別に連絡し、水分補給を促すようにします。
2部連の時はそれぞれの練習で計測しましょう。午前の練習で割合を出し、午後の練習までの間に水分補給を促すようにすると良いでしょう。
練習前後に体重を量り記録することは簡単なことです。簡単に体調管理が出来る方法なので個人もしくはチームで行ってみてください。
ポイント2:タイミング
ポイント2:タイミング
こまめに水分補給をしましょう。
脱水が2%以上になり、パフォーマンスの低下を予防するために練習/試合中にこまめに水分補給をしましょう。
目安
1、15 ~ 20分ごと
2、ペットボトルの約1/3(= 150 ~ 200ml)
を摂取しましょう!
こまめに水分補給する理由は、水分を一気に大量に摂取してもすぐに体内に吸収されないからです。一気に大量の水分を摂取すると胃腸の不快感にもつながります。のどが渇いていなくてもこまめに飲むことが重要です。喉が渇いた時はすでに脱水しています!
ポイント3:中身
ポイント3:中身
吸収されやすい飲み物を選びましょう。
塩分:0.1 ~ 0.2%
糖分:3 ~ 8%
水温:5 ~ 15℃ くらいに冷えたもの
これらに相当した飲み物を選びましょう。
どうやってその飲み物の塩分や糖分について分かるのでしょうか?それは飲み物のラベルに表示されている栄養成分表示を見ると分かります。普段、あまり見ないかもしれませんが、ここには飲み物が適しているかどうか知るためにとても有益な情報があります。注意して見てみるといいでしょう。
これはアクエリアス(スポーツドリンク)の栄養成分表示です。しかし、よく見るとここには塩分、糖分とは書いてありませんね。どういうことでしょう?
塩分は食塩相当量を見れば分かり、糖分は炭水化物を見れば分かります。糖分は炭水化物の一部だからです。
ジュースや炭酸飲料などは運動時の飲み物として適していない理由も栄養成分表示を見ると分かります。
例えば、このジュースの栄養成分表示を見ると食塩相当量が0g、炭水化物が12.5gと表示されています。これから分かることは塩分が足りなく、糖分が多過ぎる、ということです。ジュースや炭酸飲料は糖分の量が多く、水分が吸収されにくいため水分補給には適していません。これから、水分補給には何でもいいから飲めばいいというわけではないことが分かります。
まとめ
運動中の水分補給のポイントは3つ。
1、量:1%以上の減少をしたら意識的に水分補給をして2%を超えないようにする。
2、タイミング:15〜20分ごとにペットボトルの約1/3(=150〜200ml)を摂取する。
3、中身:吸収されやすい飲み物を選ぶ。
適切な水分補給をしてパフォーマンスの低下を抑えましょう!