前十字靭帯損傷とは?

前十字靭帯損傷
photo:https://orthopaedics360.com.au/knee/acl-rupture/

前十字靭帯損傷とは?と思ったことがあると思います。12年間アメリカの大学でアスレティックトレーナー(ATC)として働き、4年間クリニックを経営してきた僕が簡単に説明します。

目次

こんな事を思ったことがありませんか?

「前十字靭帯損傷」という怪我をニュースなどで見ることがあると思います。もしくは、あなたの友人やチームメイトがこの怪我を負っている場合があるでしょう。こんなことを思ったことはありませんか?

  • そもそも、前十字靭帯ってなに?
  • 前十字靭帯損傷ってなに?
  • 前十字靭帯を損傷するとどうなるの?

解剖

Photo:https://medicalnote.jp/contents/180226-006-IY

そもそも、前十字靭帯ってなに?

結論:前十字靭帯(ACL)とは膝を安定させる靭帯です。

前十字靭帯(ACL)は大腿骨(だいたいこつ、ももの骨)と脛骨(けいこつ、すねの骨)をつないでいます。ちなみに、前十字靭帯のことをACLと言われることが多いです。それは、前十字靭帯を英語で言うと、Anterior Cruciate Ligamentといい、その頭文字をとってACLとよく言われます。アメリカでもACLと略して言うことがほとんどです。

前十字靭帯 = ACLですので覚えておいてください。

には4つ主要な靭帯があり、前十字靭帯(ACL)はその1つです。大腿骨(ももの骨)の後ろの方から脛骨(すねの骨)の前の方に斜めに走っています

機能

では、前十字靭帯 (ACL)がどのような役割をしているか簡単に説明します。

photo:http://www.reha-kaiseikai.or.jp/sope.html

まず1つ目は、膝が過度に前方へ動くのを防ぐです。どういうことかというと、脛骨(すねの骨)が前へ動いたとき、前十字靭帯がピンと張って前へ行き過ぎるのを止めます。

photo:http://www.reha-kaiseikai.or.jp/sope.html

2つ目は、膝が過度に内側に捻るのを防ぐです。これは、脛骨(すねの骨)が外側に回転し、大腿骨(ももの骨)が内側に回転するように、それぞれが逆方向に回転してねじれた時に、前十字靭帯がピンと張って捻りを止めます。

前十字靭帯以外にも膝を安定させる靭帯や筋肉もありますが、間違いなく前十字靭帯は主要な組織の1つです。もう一度言います、前十字靭帯は膝を安定させる重要な靭帯です。

損傷とは

photo:https://www.sportsinjuryclinic.net/sport-injuries/ankle-pain/acute-ankle-injuries/ankle-sprain-diagnosis

前十字靭帯損傷ってなに?

結論:前十字靭帯損傷とはそれが断裂してしまうことです。

専門的には前十字靭帯損傷の「損傷」には重症度によって1〜3までのグレードがあります。グレード1から3まで靭帯がどのような状態なのかを説明します。この定義は前十字靭帯にだけではなく、どの靭帯にも同じように使われます。

グレード1:靭帯が伸びてしまった状態。しかし、切れてはいない。
グレード2:靭帯が部分的に断裂している状態。
グレード3:靭帯が全部完全に断裂している状態。1)

しかし、一般的に「前十字靭帯損傷」と言われたときは完全に切れている(断裂)ことを意味していることが多いです。もう一度言います。靭帯の損傷には1~3のグレードがある。一般的に「前十字靭帯損傷」と言ったときはグレード3である完全に断裂していることを意味する場合が多い以前にこんな記事も書いてますので合わせて読んでください。

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膝はどうなるか

前十字靭帯を損傷するとどうなるの?

結論:前十字靭帯が損傷すると膝が不安定になります。膝がぐらぐらします。

photo:https://www.verywellhealth.com/knee-pain-instability-2549493

不安定になる理由は膝を曲げた時に脛骨(すねの骨)が前にずれ、内側にひねられるからです。先に説明したように、前十字靭帯は大腿骨(ももの骨)と脛骨(すねの骨)をつないでいます。それが無くなってしまうため、脛骨(すねの骨)が前に動いたときにストップしないのです。具体的にどのような感覚なるかというと、膝がガクッと崩れる感覚です。もちろん、前十字靭帯の損傷で痛みや腫れの症状もありますが、1番の問題はこの不安定性です。もう一度言います。前十字靭帯が切れてしまうと膝がぐらついて不安定感を感じます。

まとめ

  • 前十字靭帯は膝にある主要な靭帯の1つ。
  • 損傷とは前十字靭帯が切れてしまうこと。
  • 前十字靭帯が損傷すると膝がぐらぐらする。

参考文献

1) https://sportmedbc.com/article/ligament-sprains

参考にしていただきたい他の動画や記事はこちら!

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この記事を書いた人

パフォーマンスインテグレーション代表
全米アスレティックトレーナー協会公認、アスレティックトレーナー(ATC)

東京の市ヶ谷で怪我の予防と施術、リハビリテーション、トレーニングを行なっています。腰痛や膝の痛みのリハビリの専門家です。ブログではスポーツ障害や健康に役立つ情報を中心に発信しています。

アメリカの大学(NCAAディビジョン1)にて多競技でアスレティックトレーナー(ATC)として12年間働きました。多くの大学生やプロアスリートの怪我の予防や治療、リハビリを行なってきました。

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