アスレティックトレーナーとして専門のスポーツは何ですか?

日本に帰国してから会う方からよく聞かれることがあります。それは「アスレティックトレーナーとして何のスポーツが専門ですか?」という質問です。

僕のアスレティックトレーナーとしての専門は「身体」です。

よく、「バスケットボールが専門ですか?」と聞かれますが答えは「NO」です。確かにアメリカにいた時から現在もバスケットボール選手を見ることは多かったですが、他のスポーツ選手も同じくらい見てきました。高校までバスケットボールをやっていたので好きなスポーツはバスケットボールですが、これと仕事は関係はありません。また、仕事をしたいスポーツもバスケットボールという訳でもありません。しかし、実際にプレーをしていたので競技の技術的な理解度が高いのはバスケットボールです。

僕はアスレティックトレーナーの勉強をアメリカの大学のNATAプログラム認定校で勉強をしました。僕の大学のプログラムは3年制で、その間に大学にある全てのスポーツをローテーションします。ですから、学生の間にバスケ、フットボールからテニス、陸上、ボートなど男女合わせて22種目を見ました。ATC(有資格者)になる前に多くのスポーツを見ることができました。

ATCになり、大学院に進んでからも2年間で多くの異なるスポーツを担当しました。直接担当したチームで言うと、女子サッカー、男子バスケ、男子女子陸上、男子女子テニス、女子バレーボール、女子ソフトボールです(保険コーディネーターも)。アスレティックトレーニングルームが1つしかなかったので、大学にある全てのチームがここに来ます。それなので、担当チーム以外の選手を見ることも普段からありました。

就職してフルタイムになった大学も1つしかアスレティックトレーニングルームがなかったため、担当チーム以外の選手もかなり多く見ました。この職場では誰も担当ATがいないチームもあり、そのチームはスタッフ全員で手分けをして見るという方式をとっていました。僕はとりわけそのようなチームの選手を多く見ていました。直接担当したチームは、男子サッカー、男子女子体操、女子バスケです。

僕の場合、一つのスポーツだけを経験してきた訳ではないのでスポーツの専門はありません。また、一つに絞ろうと思ったことも学生の時以外はありません。やはりバスケが好きだったので学生の時はバスケのATとしてやって行きたいなと思った時期もありましたが、ATCになってからはそのように思ったことは無いです。

偶然にも大学院での仕事の仕方が1つのチームだけ見る形ではなかったので多くのスポーツを経験することができました。スポーツによって怪我のタイプや部位の傾向があるので異なるスポーツを見ることによって異なる怪我を見ることができました。それは仕事を始めてからも同じでした。僕はこれはとても幸運だったと思っています。何故かというと、ATとしての幅が広がったからです。ATとして仕事をしていくと、一生一つのスポーツを見ていくというのは簡単では無いからです。また、多くのスポーツの事やルールについても知ることが出来ました。多くの異なるコーチと仕事をすることにより、コミュニケーションの方法を学びました。ATにとって専門知識と同じかそれ以上にコミュニケーション能力は大切です。

大学院に入ってから多くのことを学ぶにつれ、スポーツへの興味というよりも身体への興味が強まりました。人の身体の奥深さを感じ始め、身体のことをもっと知りたいと思ったのでスポーツ種目への固執は無くなりました。それは就職してからも同じで、身体への興味が増す一方でした。視点がスポーツから身体へ変化したのです。もっと言えば、選手でなくても一般の人が対象でもいいと感じ始めていました。実際、一般の人の方の身体の方がスポーツ選手の身体を見るより難しいです。そこにまたスポーツ選手を見るのと違ったチャレンジを感じました。

僕のバックグラウンドはアスレティックトレーナーなのでスポーツ選手を見ることが得意です。そして、多くのスポーツ種目での経験があり、身体の興味への追求してきた結果、僕のアスレティックトレーナーとしての専門は「身体」なのです。

パフォーマンスインテグレーションについてはHPをご覧ください。また、セッションに興味のある方はこちらからご予約下さい。

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この記事を書いた人

パフォーマンスインテグレーション代表
全米アスレティックトレーナー協会公認、アスレティックトレーナー(ATC)

東京の市ヶ谷で怪我の予防と施術、リハビリテーション、トレーニングを行なっています。腰痛や膝の痛みのリハビリの専門家です。ブログではスポーツ障害や健康に役立つ情報を中心に発信しています。

アメリカの大学(NCAAディビジョン1)にて多競技でアスレティックトレーナー(ATC)として12年間働きました。多くの大学生やプロアスリートの怪我の予防や治療、リハビリを行なってきました。

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