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膝内側側副靭帯損傷とは?

2021年12月17日の試合でNBAロサンジェルス レイカーズのアンソニー デイビスが左膝内側側副靱帯を損傷しました。
ESPNによると、この怪我でアンソニー デイビスは約4週間欠場するだろうとのことです。(3
今回は膝内側側副靱帯損傷について簡単に説明します。

アンソニー デイビスの受傷シーンの動画
目次

膝内側側副靱帯とは?

https://www.mcdavid.co.jp

膝内側側副靱帯は膝の内側にある靭帯です。
英語で言う、MCL(Medial Collateral Ligament)ともよく呼ばれます。

膝には4つの主要な靭帯があり、その一つです。
他の3つは

  • 外側側副靭帯(LCL)
  • 前十字靭帯(ACL)
  • 後十字靭帯(PCL)

です。

MCLはモモの骨である大腿骨(だいたいこつ)とスネの骨である脛骨(けいこつ)を繋いでいます。
この2つの骨を繋ぐことで膝の内側を安定させる役割を担っています。
また、MCLの一部は内側半月板にも付着をしています。

肘にも内側側副靭帯があり、それも同じようにMCLと呼ばれます。
肘内側側副靱帯の損傷はよく野球選手の怪我で聞く、トミージョンと呼ばれる怪我です。

怪我の原因

https://www.mcdavid.co.jp

膝の外側から内側に向かって力がかかると膝が内側へシフトし、膝の内側が開きます。
棒の真ん中に片側から力を加え、棒が折れる時に片側がパカンと開くイメージです。
MCLはその開いてしまうのを抑えているのですが、力が強く耐えられない時に切れて損傷します。

スポーツでは他の選手との衝突により、膝の外側から力が加わりMCLが損傷することがあります。
また、あまり多くはありませんが、接触が無く、ピボットやカッティングの動きで損傷することもあります。

その他、前十字靭帯の損傷と同時に損傷する場合や、内側半月板の損傷と同時に損傷することもあります。

怪我をした時の症状

膝内側側副靱帯を損傷した場合の症状は損傷の度合いにより異なりますが、
一般的に膝の内側の関節付近に痛みを感じることが多いです。
また、膝が腫れることもしばしばあります。
他には、足を地面に着いて体重をかけた時に痛みや膝がぐらぐらして不安定感がある場合もあります。

怪我の診断

受傷直後は現場にいるアスレティックトレーナーや他のメディカルスタッフにより膝の検査が行われます。
その後、医療施設でMRIを撮り、画像診断が行われます。
多くの場合、レントゲンも撮りますが、これは骨折があるかどうかの診断のためです。
MCLはレントゲンには映らないので、診断を確定するためにはMRIを撮る必要があります。

重症度は3つに分けられます。(1
グレード1(軽度)、グレード2(中度)、そして、グレード3(重度)です。


グレード1:靭帯のほんの少しの繊維が切れ、痛みがある。しかし、不安定感は無い。
グレード2:グレード1よりも靭帯の繊維が切れていて、より強い痛みがある。まだ不安定感は無い。
グレード3:完全に靭帯が切れていて、不安定感がある。

ミシンガン大学病院によると、重症度による治療と回復期間の目安は以下の通りです。(2


グレード1:1週間から3週間で良くなり、自宅だけでの治療と短期間の松葉杖の使用が必要かもしれない。
グレード2:約1ヶ月で良くなり、ヒンジ(蝶番)のついたブレイスの着用と足への荷重制限が必要かもしれない。
グレード3:数ヶ月間ヒンジのついたブレイスの着用と4週間から6週間の荷重制限が必須かもしれない。

まとめ

  • 膝内側側副靱帯は膝の内側にある靭帯
  • MCLは膝の内側を安定させている
  • MCLは膝の外側からの強い力によって損傷する
  • MCLを損傷したときの症状は痛み、腫れ、不安定感がある場合がある
  • 怪我の診断はMRIによって行われる

パフォーマンスインテグレーション

パフォーマンスインテグレーションではスポーツ障害への施術と運動療法を行なっています。

怪我からのパフォーマンス向上、スポーツへの復帰のお手伝いをします。

参考文献

1、Phinit Phisitkul, Stan L James,Brian R Wolf, and Annunziato Amendola. “MCL Injuries of the Knee: Current Concepts Review”, 2006, The Iowa Orthopaedic Journal

2、https://www.uofmhealth.org/health-library/abn2411

3、https://www.espn.com/nba/story/_/id/32897501/los-angeles-lakers-anthony-davis-least-4-weeks-mcl-sprain-left-knee

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この記事を書いた人

パフォーマンスインテグレーション代表
全米アスレティックトレーナー協会公認、アスレティックトレーナー(ATC)

東京の市ヶ谷で怪我の予防と施術、リハビリテーション、トレーニングを行なっています。腰痛や膝の痛みのリハビリの専門家です。ブログではスポーツ障害や健康に役立つ情報を中心に発信しています。

アメリカの大学(NCAAディビジョン1)にて多競技でアスレティックトレーナー(ATC)として12年間働きました。多くの大学生やプロアスリートの怪我の予防や治療、リハビリを行なってきました。

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