スポーツで怪我をした時によくレントゲンやMRIを病院で撮ると思います。
なぜこれらを撮るのか、この二つはどう違うのか、とか考えたことはあるのではないでしょうか?
時には片方、時には両方撮ったりしますよね。
今回はレントゲンやMRIで何が分かるのかをアスレティックトレーナーの視点で説明します。
動画解説:レントゲンやMRIで何が分かるのか?
このブログの内容は以下の動画でも解説しています!
レントゲンで分かること
まず、レントゲンについて説明します。
スポーツの怪我で整形外科でレントゲンを撮るのは主に骨の状態を見るためです。
レントゲンという名前はドイツのレントゲン博士がX線を発見したところから彼の名前に因み付けられています。
日本ではこの検査をレントゲンと呼びますが、ちなみにアメリカではX線に因みX-rayと呼ばれています。
なのでアメリカやアメリカ人にレントゲンと言っても通じません。
X-ray(エックスレイ)と言うと理解されます。
X線という言葉が出てきましたがX線は放射線の種類でこれを体に照射することで画像にします。
レントゲンで分かる怪我は主に骨折です。
骨折の疑いがある場合にレントゲンを撮ることが多いです。
また、骨や関節の状態を見るためにも撮られます。
骨のある部位であれば体のどこでも撮影することが可能です。
スポーツの怪我で足首を捻ることは多いです。
この時、主に考えられるの怪我は捻挫と骨折です。
この場合にレントゲンを撮るのは足首周辺の骨が骨折していないかどうか見るためです。
しかし、レントゲンでは捻挫についての詳しいことは分かりません。
靱帯や腱、筋肉はレントゲンには映らないからです。
それらを見るためにはMRIが使われます。
MRIで分かること
次にMRIについて説明します。
スポーツの怪我で整形外科でMRIを取るのは主に筋肉、腱、靱帯などの軟部組織の状態を見るためです。
MRIとはMagnetic Resonance Imagingの略で、日本語では核磁共鳴画像法(かくじきょうめいがぞうほう)と言います。
英語も日本語も難しいですね。
MRIと覚えておけばいいと思います。
MRIのメカニズムについて簡単に説明をすると、磁気を使って体の組織の状態を画像にしています。
先ほどのレントゲンでは放射線を使い、MRIでは磁気を使っているというところが大きな違いです。
MRIで分かる怪我は主に捻挫、筋挫傷などです。
ヘルニア、半月板損傷などもMRIで判別します。
例えば、膝を怪我をして前十字靭帯や半月板の損傷が疑われるときにMRIを撮り、その損傷の有無や度合いを調べます。
MRIは体のあらゆる部分で使うことができます。
先ほどの足首を捻った時の例で説明します。
レントゲンで骨が折れているかどうかを確認しました。
しかし、足首の靱帯や周辺の筋肉やその腱がどうなっているかまだ分かりません。
MRIによって足首のどの靱帯や腱が損傷しているのか、そして、それらがどれくらい損傷しているのか特定します。
レントゲンとMRIのどちらを撮るべきか
レントゲンとMRIのどちらを撮るのか決めるのは医師です。
それは画像診断の処方箋を出せるのが医師のみだからです。
なので、怪我をした時にまず行くべきところは病院の整形外科なのです。
下の記事でこれについては詳しく書いていますので是非読んでください。
整形外科の医師は患者さんの怪我をまず診察で手技を使い調べます。
その上で、体のどの部分について詳しく見て診断をするかを考えてレントゲンとMRIを撮ります。
骨を見たければレントゲン、筋肉や靱帯を見たければMRIといった感じでしょう。
片方の場合もありますが、両方撮る時も多いです。
まとめ
- レントゲンは骨を見るために使われる
- MRIは筋肉、腱、靭帯などの軟部組織を見るために使われる
- レントゲンとMRIは体の見たい部位によって使い分けられる