ここ最近、新型コロナウイルスの発生で生活が普段と違うと思いますが、皆さんいかがお過ごしですか?新型コロナウイルスはコロナウイルスの一種であることをご存知ですか。今回はコロナウイルスと現在問題になっている新型コロナウイルスについてまとめてみました。
コロナウイルスについて
どんなウイルス?
人間に感染するコロナウイルスは現在7種類あると言われています。その1つが最近問題になっている新型コロナウイルス(SARS-CoV2)」です。この7種類のコロナウイルスうちの4種類は一般的な風邪の原因となるものです。そして、5つ目のウイルスは2002年に起こった「重症急性呼吸器症候群(SARS)」です。最後の6つ目は2012年から起こっている「中東呼吸器症候群(MERS)」です。(1)
風邪のコロナウイルス
4つのコロナウイルスが風邪の原因になりますが、風邪全体で見るとこの4つが原因になる風邪は10-15%で、流行期でも35%だそうです。多くの人間は6歳までにこの感染を経験します。感染した場合の症状は多くは軽症だが、高熱になることもある。(1、2)
重症急性呼吸器症候群(SARS)
SARSはコウモリのコロナウイルスが人間に感染し、重症肺炎を引き起こすと考えられています。SARSは2002年に中国広東省で発生しました。研究により現在はキクガシラコウモリが宿主(しゅくしゅ)と確認されています。人間から人間への感染は町中で咳や飛沫によって起こったとされています。SARSによって亡くなった方の多くは高齢者や心臓病や糖尿病などの問題をすでに持っていました。子供にはほとんど感染はなく、あった場合は軽度の呼吸器症状が見られただけでした。(2)
中東呼吸器症候群(MERS)
MERSは元々ヒトコブラクダに風邪の症状を引き起こすウイルスでした。しかし、種の壁を超えて人間に感染すると重症肺炎を引き起こすと考えられています。MERSは2012年にサウジアラビアで発生しました。人間から人間への感染は重症患者からの飛沫によって起こるとされています。重症患者の多くは高齢者や糖尿病、慢性の心、肺、腎疾患を以前から持っていました。15歳以下の子供への感染は全体の2%程度で、症状は軽症でした。(2)驚いたことは、サウジアラビア人の0.15%はMERSに対する抗体を持っていることが調査により分かったことです。そのため、その人たちは感染しても軽い呼吸器症状だそうです。高齢者や先ほど示した基礎疾患を持っている人に感染した場合、重症化するそうです。(2)
SARSやMERSもコロナウイルスの一種だったんですね。僕は知りませんでした。アメリカにいたときにSARSやMERSのことはよく聞いていましたがSARS, MERSとしか僕の周りでは言って無かったのでコロナウイルスの一種だと思いませんでした。風邪の一部はコロナウイルスなんですね。これも知りませんでした。
動物のコロナウイルス
コロナウイルスは人間以外の動物でも起こりますが、種類の違う動物への感染は少ないとされているようです。そして、コロナウイルスは濃度70%のアルコール消毒で感染力無くなると知られています。(1)
ウイルス学的特徴
他のウイルス同様、コロナウイルスもとても小さいもので電子顕微鏡で見なければ見えません。どれくらいの大きさかというと直径が約100nm(ナノメートル)です。ナノメートルとは10億分の1メートルです。(5)と言っても、とりあえず超小さいとしかイメージできませんね。コロナウイルスの形ですが、球形で表面に突起があります。その形態が王冠に似ているのでギリシャ語で言う王冠、”corona”「コロナ」と名前がつきました。(2)
新型コロナウイルスについて
新型コロナウイルスの発生
新型コロナウイルスは2019年12月に中国の湖北省武漢市で発生しました。(3)
新型コロナウイルスの症状
コロナウイルスに感染したときの症状はインフルエンザの症状と似ていて、頭痛や高熱、倦怠感、咳などです。重症の場合、呼吸困難や肺炎です。新型コロナウイルスによる致死率は現在のところ1-2%と低いですが、SARSの致死率は役10%前後です。(3)まだ新しいコロナウイルスなので詳しいことはまだ分かっていないようですので今後も厳重注意が必要でしょう。
新型コロナウイルスはどう発生したのか
SARSとMERSは動物が起源となったコロナウイルスと考えられています。そのうちSARSはコウモリが起源だと考えられているそうです。今回の新型コロナウイルスもまたコウモリが起源と考えられています。その理由は新型コロナウイルスの遺伝子配列がコウモリ由来のSARSの遺伝子配列に似ているためです。(1)どれくらい似ているかというと、約80%ほどです。(3)しかし、新型コロナウイルスがコウモリ由来もしくは動物由来であるという確実な証拠はまだ見つかっていません。(1)
新型コロナウイルスの感染経路
厚生労働省によると、新型コロナウイルスの感染経路は飛沫感染(ひまつかんせん)と接触感染が考えられるそうです。飛沫感染とは感染者の飛沫、いわゆるくしゃみや咳、つばなどと共にウイルスが飛び、他者がそのウイルスを口や鼻から吸い込み感染することです。一方の接触感染は感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後にその手で物を触り、他者がそのウイルスが付着した物を触り感染することです。例としては、電車などでのつり革やドアノブ、手すり、スイッチなどです。(1)
食品そのものからの感染した報告は今のところないそうです。(1)しかし、配膳の時に接触感染の可能性があるので注意が必要です。食器も清潔に保つようにし、共有するのはやめましょう。
新型コロナウイルスの予防
よく言われているように、石鹸を使っての手洗いや消毒用アルコールで消毒し、清潔に保ちましょう。また、人混みを避けることや十分な睡眠をとることも重要とされています。(1)
コロナウイルスはその構造からエンベロープウイルスという種類です。新型コロナウイルスも同様です。どんなものかと言うと、ウイルスの周りを膜で覆われているウイルスのことです。その膜は脂質性で、アルコール消毒剤に弱く、アルコール消毒によって壊されます。膜が壊されるとウイルスはダメージを受けます。それなので、石鹸での手洗いやアルコール消毒をすることで新型コロナウイルスを死滅させることができます。(4)ですから、石鹸での手洗いやアルコール消毒は重要なのです。
まとめ
- 人間に感染するコロナウイルスは現在のところ7つ発見されていて、現在問題になっている新型コロナウイルスはその1種。
- 新型コロナウイルスの遺伝子配列はSARSの遺伝子配列に似ている。
- コロナウイルスはエンベロープウイルスでアルコール消毒で死滅する。
- 新型コロナウイルスの予防:①石鹸での手洗い②消毒用アルコールで消毒③人混みを回避④十分な睡眠。
- 新型コロナウイルスの感染経路:①飛沫感染②接触感染。
- 新型コロナウイルスの症状:①頭痛②高熱③倦怠感④咳⑤呼吸困難⑥肺炎
参考文献
- https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html
- https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/9303-coronavirus.html
- http://jsv.umin.jp/news/news200210.html
- https://family.saraya.com/kansen/envelope.html
- https://ja.wikipedia.org/wiki/ナノメートル